【関西】2019年度小中高生対象見学会「電車の高架化工事を見てみよう!」の開催報告
土木学会関西支部企画・広報幹事会では、2019年度の小中高生対象見学会を「電車の高架化工事を見てみよう!」と題して、大阪市、阪急電鉄株式会社、奥村組・錢高組・熊谷組JV(第2工区)、大林組・ハンシン建設JV(第3工区)のご協力を得て、淡路駅周辺連続立体交差工事の現場見学会を開催しました。
阪急電鉄淡路駅周辺の工事は、京都線の崇禅寺駅~上新庄駅付近及び、阪急千里線の柴島駅~吹田駅付近を高架化し、17ヶ所の踏切をなくして、道路交通の円滑化、踏切事故の解消を図るとともに、鉄道により分断されている市街地の一体化を図るものです。
今回見学会では、プラレールの実演と現場見学(第2工区、第3工区)により、工事の方法や周辺の環境が整備されていく様子をみていただきました。
当日の様子 | 皆さまからのアンケート結果 |
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プラレール実演
プラレールの実演では、工事が始まる前から完成するまでをプラレールを使って再現しました。
電車を地上から橋に上げる高架化作業には、「仮線施工」「直上施工」「別線施工」と3つの工法があります。
「仮線施工」は今の線路の横に工事の間だけ使用する仮の線路をつくって、深夜の電車が止まっている間に線路を繋ぎかえ、そこに電車を走らせるもので、短い時間に安全に繋ぎかえるためには、しっかりとした計画が必要になります。
「直上施工」は電車が走っている線路の上に橋をつくり、そこに線路をつくるもので、線路の近くで作業をすることから線路がゆがんだり、橋から下にものが落ちないように注意しながら施工することが大切です。
「別線施工」は電車が走っている線路の横に新しい線路をつくるもので、お家やお店が建っている場合には、あらかじめ交渉する必要があります。
これら3つの工法をプラレールで再現、工事中に気をつけることをお話したのちに、新しい淡路駅が完成し、踏切がなくなって周辺道路が整備された様子を模型をつかって表現しました。
特に小学生のお子様は興味津々だったようで、質疑応答の時間では、工法に関する掘り下げた質問等もありました。
現場見学
第2工区(奥村組・錢高組・熊谷組JV)の現場見学では、「直上施工」に使用する大型の直上施工機を間近に見学しました。あいにく風が強く、直上施工機上へ昇ることはできませんでしたが、風速計により風の状況をリアルタイムに把握し、直下の営業線や周辺の住宅に迷惑がかからないように十分配慮した安全管理を学ぶことができました。
第3工区(大林組・ハンシン建設JV)の現場見学では、重さ1,300tもあるトラス橋を見学しました。重い橋を架ける特殊な方法や工事の苦労話をご説明いただき、参加したお子様は真剣に耳を傾けていました。また、工事現場ならではの「業界用語」や「鉄道工事あるある」をクイズ形式にして○×クイズを楽しみました。意外な答えにどよめきもあり、大変盛り上がりました。
参加の皆さまへ
この度は、小中高生対象見学会 「電車の高架化工事を見てみよう!」にご参加いただきありがとうございました。皆さまのご協力により、無事に見学会を終えることができましたこと、心より御礼申し上げます。
皆さまよりいただいたご意見につきましては、今後の学会行事や企画に活用させていただきます。
土木学会では、今回のような見学会を年に2回程度(小中高生対象、インフラツーリズム)企画しております。また、皆さまにご参加いただき、再度お会いできる日を楽しみにしております。
ご参加いただきありがとうございました!
見学先関係者の皆さま
今回の小中高生対象見学会「電車の高架化工事を見てみよう!」の開催にあたり、阪急淡路駅付近連続立体交差事業の工事見学におきましては、大阪市、阪急電鉄株式会社、奥村組・錢高組・熊谷組JV、大林組・ハンシン建設JV の皆様にご協力いただき、ありがとうございました。当日は小学生や中学生にもわかりやすい資料のご準備やご説明をいただき、また、見学会のために安全対策をしていただくなど沢山のご配慮を賜り、見学会の準備から当日の案内まで、多大なるご労力とご協力をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
参加の皆さんからは、「楽しかった」「また行きたい」等、多くの感想をいただいております。今後とも土木学会活動に、ご支援ご協力の程、宜しくお願い申し上げます。