現在、世界のグローバル都市圏においては、都市圏のコンパクト化、複数都市圏のコリドー化によるメガリージョン化という共通した変化傾向が見いだせるようになっています。そのためには、従来の国土計画・総合開発計画を通じて提案されてきた定住圏構想、多極分散構造や、国土軸などの理念的国土モデルを再吟味することが必要です。新しい国土像の転換が期待される中で、スーパーメガリージョンの形成やインフラシステムズのシステム化戦略を指導するような新しい都市論・都市システム論を展開することが求められています。 本共同研究グループでは、スーパーメガリージョンとしての関西におけるインフラ高度化戦略に関する調査研究を産官学連携により行って参りました。このたび、その成果を踏まえ、下記の要領でワークショップを開催し、研究成果をご報告申し上げたいと存じます。奮ってご参加下さいますようご案内いたします。
CVV(Civil Veterans & Volunteers)はシニア土木技術者の自主的な活動として知恵を出し合って社会貢献を目指し、約20年前から活動している。ただこのような活動が土木分野で成果を挙げた例は無く、具体的な社会貢献につなげることを主眼に模索している。近年、団塊の世代が退職し、土木分野でも技術継承が課題になっている一方、若手技術者の減少から学会活動を支える幹事団への支援も必要となりつつある。そのため、「技術継承」、「市民への土木広報」をキーワードとして、2016・17年度共同研究グループ活動を行った。2018年度から土木学会関西支部との関係も整理され、協調して技術継承や土木の広報といった課題に取り組んで行くことになった。本ワークショップで活動状況を報告する。 2018年度はこれまでの活動継続として、「浪速の名橋50選」を活用して学生や若手技術者への技術伝承の試行、支部「ぶら・土木」、Osaka Metro「ぶらりウォーク」への協力を行った。追補名橋11選の橋巡り活動を進め「浪速の名橋50選」以外から大阪府下の名橋を選定し現地調査し、2017年度と併せて22橋となった。また、自治体支援活動も新たな展開を目指し、さらに地盤工学会関西支部・他グループとの協同を試みたので報告する。
近年、大都市では、豪雨に伴って発生する局所的な浸水被害に対処するため、地下貯留シールドトンネル(地下河川、放水路等)が建設されています。完成後の地下貯留シールドトンネルでは、その使用目的から長期にわたる高度な耐久性・機能性が要求されます。 首都圏では、供用中の二次覆工を省略した地下貯留シールドトンネルの中で、供用開始後、RCセグメントにコンクリートの剥離、ひびわれ、漏水などの損傷が生じている事例が報告されおり、その原因として、外水圧に匹敵する内水圧の載荷除荷に伴う覆工の軸力変動、シール材の膨張、シール溝の設置位置の影響などが指摘されています。一方、関西でも、地下河川、雨水増補幹線、貯留管(滞水池)の建設が進められていますが、供用後のトンネル覆工の損傷実態、損傷原因、損傷に対する対策については未解明な部分が残っているのが実情です。 そこで、本研究グループでは、内水圧が繰り返し作用する地下貯留シールドトンネルについて、損傷実態の把握、損傷原因となる力学挙動の解明、および対策手法の開発を行うことを目的として、平成29年度から研究活動を続けてきました。その結果、地下貯留トンネルの損傷形態はRCセグメントの端面におけるコンクリートの剥離が主であるが、主鉄筋に達する深い剥離も生じていること、内水圧載荷回数の増大に伴って損傷個所が増えていること、合成セグメントでは損傷事例がないこと、また関西ではこれまでの実績の2倍を超えるような最大内水位が作用する大深度地下貯留トンネルの築造が計画されていることなどが分かってきました 本ワークショップでは、損傷原因と対策、貯留施設の管理運営方法、およびシールド管渠の力学挙動について議論したいと考えています。多数のご参加を頂きますよう、ご案内申し上げます。
関西の海岸線は多様な構成要素を持っています。大阪湾沿岸では埋立地の増加等により、自然海岸が減少し、埋立護岸の延長が長くなっています。人工的に造成された海浜も点在しており、海岸の利用者も多く見られます。大阪湾外の海岸に目を移すと、南海トラフ地震とその津波対策が早急に必要な太平洋側の海岸や、風光明媚であるが厳しい冬季風浪にさらされる日本海側の海岸等があります。 本共同研究グループは、このような個性があり多様な課題を持つ関西の海岸の状況を、人工海浜の地形変化、埋立護岸等の人工構造物が水域環境に与える影響、地球温暖化により巨大化した台風が引き起こす高潮に対する防災、近い将来の来襲が予想される南海トラフ地震により発生する津波に対する防災、陸域起源および外洋起源のゴミ漂流・漂着、等の観点から調査し、それぞれの地域における課題の抽出を行うことを目的として、2017年度より活動を行ってきました。2018年度は、前年度に実施したヒアリングをもとに海浜地形の分析を行ったほか、現地海岸の視察を行い、海岸の持つ課題と評価指標について検討しました。本ワークショップでは、2018年度の活動報告と、関西各地の海岸が抱える課題を報告させて頂きます。多数のご来場をお待ちしております。
近年、インフラ構造物の高齢化が進み維持管理が社会的問題となる一方で、従事する官民の専門技術者数は減少する傾向にあることが予想されています。そこで、使用材料や構造細目・形状等の工夫、プレキャスト化や初期不良回避等による品質確保、BIM/CIMによる3次元設計の流れを踏まえた橋梁が求められています。研究の最終目的は、現在建設されている橋梁と比較して将来の維持管理が低減される「メンテナンススモール橋」の開発を位置づけ、昨年度から研究活動を開始しました。 本ワークショップでは、昨年度の活動概要を報告したうえで、皆様と今後の橋梁維持管理の低減および橋梁設計のあるべき姿に関して議論したいと考えています。多数のご参加を頂きますよう、ご案内申し上げます。
土木学会関西支部では、土木技術の進展に著しい貢献をした優れた業績を表彰し、その成果をたたえることにより、支部会員の土木技術者としての意識の高揚を図ることを目的に、1982年度より技術賞の授与を実施しています。 予選を通過した業績は、毎年、本選の一助とすべく、技術賞候補発表会においてその業績内容について関係者からご説明頂いておりますが、本年もこれを会員の皆様に公開として、下記の通り開催することとなりました。説明が行なわれる業績はすべて技術レベルも高く、また、独創性、発展性、努力度、地域への貢献度にすぐれたものが選考されております。今後、会員各位の相互啓発に益するところが大きいと存じますので、多数参加いただきますようご案内申し上げます。
国土地理院では、令和元年6月5日(水)、日経ホール(東京、大手町) において、「第48回国土地理院報告会」を開催します。 国土地理院からの取組報告のほか、以下の特別講演を予定しております。 特別講演「近代測量の黎明期と工部省-その歴史的な意味を考える」 清水 英範 氏(東京大学大学院工学系研究科 教授)
土木学会四国支部では毎年、四国四県を輪番で技術研究発表会を開催しており、令和元年度は高知工科大学香美キャンパスにて開催します。研究成果、技術開発、技術検討、施工技術、調査、工事に関する報告などを会員が発表します。
2019年、(一社)コンクリートメンテナンス協会は「鉄筋防錆の観点からコンクリート構造物の健康寿命を考える」をテーマに、「コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム」を開催します。 本年度のフォーラムでは、予防保全と事後保全の双方の観点に立ち、鉄筋コンクリート構造物の健康寿命を延ばすための維持管理の考え方に関する基本概念、そして最新の調査診断と適切な維持管理技術を紹介します。 特に、鉄筋防錆に焦点を当てて、電気化学的防食工法と亜硝酸リチウムの定量的防錆工法を中心として事例を交えて解説いたします。